第8章 お正月 <双子6歳>
雅紀たちと合流した智と和也はとにかく交通博物館でのことを話したかったみたいで落ち着かなかった。
時間も時間だしと、そのまま近くのPUBに入ってランチにすることにした。
昼間のPUBは大衆食堂みたいな雰囲気で子連れでも普通に入れる。
むしろ子連れwelcomeな雰囲気で…。
しかも普通に酒は注文できる。
日本の居酒屋の昼営業とはちょっと違う。
しかも禁煙だから気管支の弱い智にとってはありがたいことこの上ない。
PUBに入ってせっかくだからとFish & Chipsやほかにも適当に頼んだ。
テーブルに次々と出される料理。
智と和也は律儀に手を合わせていただきますをすると早速食べ始めた。
「お、来た!これこれ」
熱々のフィッシュ&チップスと共に置かれた茶色い液体の入った瓶。
翔が嬉しそうに手を伸ばす。
「あっ、モルトピネガー!
やっぱフィッシュ&チップスにはこれだよね?」
「うん、タルタルより、こっちだよね!」
「イギリスのタルタルソース、味がボケてるもんね?」
雅紀も潤も、そして斗真も当然の様にモルトビネガーに手を伸ばした。
「まーくん、それなーに?」
盛り上がる大人たちに、和也がちょっと不満そうな顔で聞く。
「これ?モルトビネガーだよ。フィッシュ&チップスにかけるの」
雅紀が自分のフィッシュ&チップスに振り掛けながら言った。