第8章 お正月 <双子6歳>
子どもも多いせいか多少騒いでも叱られることもなく、4人はスタンプラリーをしながら1階、2階と移動していく。
その間に地下鉄や鉄道、バス、タクシーについて色々と見ていった。
「和~、智ぃ、こっちにバスの運転士さんの制服あるよ?着てみたら?」
子供用の衣装が置いてあるのを見つけて翔が声をかける。
二人とも身に纏うとポーズを取るから、翔は夢中になってシャッターをきる。
その様子に斗真が笑いながら、「がっつり親ばかじゃん」って更にその翔を含めてカメラに収めていた。
タクシーのコーナーでは斗真が二人に説明してる。
「あのね、ロンドンのタクシーって凄いんだよ。
運転士さんの試験、すごく難しいの。
ロンドン中の地図を覚えて細かい道も建物もおぼえてね、厳しい試験に受からないとあのオースチンのブラックキャブの運転が出来ないんだよ。
だからね、ロンドンのタクシードライバーは市民から尊敬されてるの」
斗真が分厚いタクシードライバーのナレッジ試験用の参考書を二人に見せる。
「和なら出来るんじゃない?
和、頭いいもん」
「さとのほうが得意だと思うよ。
さと、細かいの覚えるの得意だもん。
絵も上手だし!」
誉めあう二人は突然、翔と斗真に向かって聞き始めた。
「ねーねー、翔ちゃんなんでアナウンサーなの?」
「とーまはなんで翔ちゃんと同じ会社なのにテレビに出ないの?」
どうやら【仕事】に興味が出てきたらしい。
翔と斗真は顔を見合わせた。