第45章 ・聖夜、光の中で
入った店で文緒が早速目をつけたのはスマートフォン関連のグッズが置いてあるコーナーだった。
「色々ありますね。」
文緒は言って色とりどりのケーブルやスタンド、充電用のACアダプターを眺める。先日ガラケーからスマホに変えたばかり、もともと付属品でついていたものも含めケーブルや充電器は持っているが出来ればケーブルは予備もほしいし他にも気に入るデザインのものがあればなお嬉しいところだ。
「あら可愛い。」
文緒は動物の顔がプリントされたモバイルバッテリーを手にとってみる。
「バッテリーか。」
「はい。まだスマートフォン用のものは持ってなくて。」
「以前電話の電池を切らした件がある、できれば持っておくに越した事はないだろうな。」
「そうですね。でもこれはどれくらい充電出来るものなのでしょう。」
「そこに書いてある。」
「ロボット印で目安1.5回のフル充電、やっぱりなかなかのお値段ですね。他も見て良いですか。」
「ああ。」
若利は頷く。
「兄様ももし他をご覧になりたいなら」
「問題ない。」
文緒はクスリと笑いまた棚に目をやった。
その後他の文房具や可愛らしい小物なども見た訳だが結局文緒はとりあえずスマホ用に予備のケーブルを買うに留まった。自分が色々見ている間若利もまたこっそり動いていた事はまったく気づいていなかった。
次に若利に頼んで一緒に行ったのは服屋だった。
「これにしようかな。」
「丈が短い。」
「そうでしょうか。ちゃんと下に重ねるつもりですが。」
「それでも足の形が見えすぎる。不届き者の目についてはかなわん。」
「流石にご心配が過ぎるのでは。」
「人目をひく分用心が必要だ。」
若い女性向けの服を扱っている店で身長190cm台の野郎が実年齢がわかりづらい少女とそんなやり取りをしている図はかなり笑える。
「これならどうでしょう。」
「悪くない。」
「ではこれにします。」
「そうか。」