第18章 Will never let you go…
櫻井side
雅紀の声だけが響くダイニングで静かに
うどんを口に運んでいた智くんが
突然『ご馳走さま』を言うと俯いたまま
リビングに行ってしまった。
まだ体がダルいのかなぁなんて、
呑気に思ってる俺に下3人の視線が刺さる。
え?って思って3人の顔を見ると明らかに
俺を責める目で見ていた。
「え?なに?」
視線の意味がわからなくて3人に聞く。
雰囲気に圧されて
小さな声しか出なかった。
N:「『なに?』じゃないでしょ?」
M:「ずっと黙ってんだもん」
A:「なんか誤解してるかもよ?」
「うそっ!」
なぜかみんなして小声で話してる。
M:「かなり怖い顔してたのに?」
N:「あれ、無自覚だったんだぁ」
A:「俺、大ちゃんのところ、行ってくる」
立ち上がろうとする雅紀を思わず止めた。
「俺が行くから…」
皿の残りを一気に口に入れて
お茶で流し込むとリビングに向かう。
ソファーの上で体操座りをして
膝に顔を埋める智くんの隣に
黙って座った。
「智くん?顔、上げて?」
ふるふると首を振って嫌がる智くん。
「なんで?俺、怒ってないよ?
ね?顔…見せてよ?」
聞こえているだろうに
一向に顔を上げようとしない智くん。
どうしたらいいだろう?
わからなくって…
そのまま腕を伸ばして抱きしめる。
びくりと動く体。
俺の腕から逃れようと
身じろぎするけど今の智くんの
動きを制するのなんて容易い。
「ちゃんと話そう?ね?」
智くんを抱きしめたまま
一言そう伝えた。