第17章 Rolling Days
櫻井side
A:「さっき、潤ちゃんが『檻のなか』って
言ってたじゃん?
確かに檻のなかだよね…俺たち。
外出するのさえ不自由で、
住所示すなんてもってのほか、
マンションの表札さえ偽名でさ…
時々マジで思うもん、
『俺、なにやってんだろう?』って」
細く綺麗な指先で和の髪の毛を弄びながら、
雅紀がいつになく真面目な口調で話すのを
静かに聞いていた。
A:「大ちゃんはこの檻から逃げないよ。
俺たちが分かっていないながらも
自ら飛び込んだ檻だけど…
悪いことだけじゃないじゃん?
大ちゃんもわかってるよ、きっと。
もうね、俺たちはここじゃないと
生きられない。
ここに慣れすぎちゃったから…。
ここは居心地がいい場所だって
知っちゃったから…。
ただ今回のことで改めて
この檻の狭さや檻に当たったときの
痛みを思い出しちゃったんだよ…。
だから…。
俺たちで癒してあげようね?
今は辛い場所になってるこの檻が
悪い場所じゃないって…
思い出させてあげよう?」
そうだね…
俺たちはあの時に選んだんだよね?
自ら檻に入ることを…。
そして、俺たちは知ってしまったんだ。
この檻から出た先の未来を…。