第17章 Rolling Days
大野side
真っ暗な洗面スペース。
手探りで洗面台の電気だけつける。
仄かに明るくなった風呂場の扉を開いて
浴槽の縁に腰掛ける。
水栓を捻るとシャワーから水が降り注ぐ。
シャワーヘッドから降る水の向こうに
洗面台のオレンジが透ける。
あぁ…綺麗だなぁ…。
シャワーの奏でるザーっていう単調な音。
その単調な音がなんとなく落ち着く。
少し脚を伸ばすと触れる水。
その冷たさが心地よくて…。
徐々に濡らす範囲を増やしていく。
着たままのスエットにもどんどん染み込む。
染み込んだ水の重さに引きずられるように
風呂場のタイルに座り込み
上から降り注ぐ、水を見る。
全身ずぶ濡れで、
体温が徐々に奪われていく。
冷えて感覚が無くなりつつある手足。
感覚が無くなることが妙に嬉しくて…。
ふふふ…。
笑いが零れる。
このまま無くなってしまえばいい
おいらの体なんて…存在なんて…
このまま…消えてしまえばいい…
耳に響く水の音に全てを委ねる。
体に纏わりつく濡れたスエットが
自分を戒める枷の様で…。
罪を犯したおいらに相応しいと思った。
目を閉じた。
顔に当たる水の感覚を感じながら…
堕ちていく…
暗い…闇の…底へ…。