第13章 自分らしさと君のぬくもり【十四松】
は、恥ずかしかった…
ボートに乗り込んで一息つく。さっきは癒されたけど、ここは公共の場だというのを忘れてたよ…。
「絵菜、顔赤いよ?もしかして暑い?」
「えっ!あ、ううん、そんなことは…」
「じゃあ僕が涼しくしてあげるね!」
…ん?何やら嫌な予感が。
十四松くんはオールを両手でガシッと掴むと、
「どっせーーいっ!!」
ババババババババババババババッ
…人間とは思えぬ速度と荒業で思い切り漕ぎ始めた。
「きゃあぁぁぁーーーっ!!?」
「わっほぉーーーいっ!!!」
ズギューーーンッ!!
約10分後―
し、死ぬかと思った…
「あっはは!涼しかったねー絵菜!」
「ソウデスネ…」
だめだ、片言しか喋れない…涼しかったといえば涼しかったけど、風を切るどころか暴風すぎて…あれって普通の手漕ぎボートだよね?モーターとかついてなかったよね?
「十四松くん…腕疲れてないの?」
「ぜーんぜん!」
「ソウデスカ…」
人並み外れた身体能力…私にも半分分けてほしいよ…。
ぐぅ〜。
「…あ」
「今の、絵菜のお腹の音?」
「う、うん。そろそろお昼食べよっか」
「いいよー!えーっとねー、この辺にレストランとかあったかなー」
「あ、十四松くん」
「?」
私は肩にかけていた大きめの鞄から、風呂敷包みを取り出す。
「お弁当作ってきたの。よかったらこれ一緒に食べない?」
「!食べる!もちろん食べるよー!」
ぱぁっとキラキラの笑顔を浮かべる十四松くん。可愛いなぁ、もう。