第13章 自分らしさと君のぬくもり【十四松】
「絵菜!次はボートに乗ろー!」
すやすやと眠っている雛鳥を眺めていたら、十四松くんが今度は湖にあるボートを指差した。
「うん、いいよ」
…ん?ちょっと待って。これ降りる時どうすれば…!?
「イヨイショー!」
十四松くん、また飛び降りちゃったし!
「おいで、絵菜!僕が受け止めてあげるー!」
「えぇぇ!?さ、さすがに危険すぎるよ!」
「大丈夫大丈夫!」
そんなに高さはないとはいえ、十四松くんが潰れちゃうよ!何かいい方法は…
「僕ならほんとに平気だから!勇気出して!」
「うぅ…!」
笑顔が眩しいよ、十四松くん…!でも、その笑顔を見ると安心するんだよな…。
「ごめん、十四松くん!」
私は意を決して、彼の元に飛び降りる。
体に強い衝撃を感じる。十四松くんは私の体重を支えきれず、そのまま地面に…
…倒れて、ない?
恐怖心のあまり瞑っていた目を開くと、すぐ近くに彼の笑顔。
私は彼に抱っこするような体勢で抱きかかえられていた。
「!?」
「ね?大丈夫だったでしょ」
「う、うん…」
しばらく彼の顔を見つめながら呆然としていたけれど、周囲のざわつきで我に返る。
い、いつの間にかギャラリーが増えてる…!?考えてみれば平日の真っ昼間から木登りだのなんだの完全におかしい人たちだと思われてるよね!?
「じゅ、じゅじゅ、十四松くん!早くボート!ボートに乗ろう!」
「?分かった!」
顔から火が出そうになりながらも、私たちは足早にボート乗り場に向かい、人混みから脱出した。