第13章 自分らしさと君のぬくもり【十四松】
「とーちゃーく!」
…できました。しかもあっさり。力持ちとかいう次元を越えているんじゃないかな。
一番太い枝の上に、二人で座る。すごい、遠くの景色まで見渡せる。
公園に面してる湖が、太陽の光を受けてキラキラ輝いていて…風も気持ちいい。
「十四松くん、この景色を私に見せるために?」
「それもあるけど、ほら、見て見て!」
「?」
細い枝と枝の間を指差す十四松くん。
危なくない程度に身を乗り出して覗き込むと、そこには小さな鳥の巣があった。中には雛鳥が数羽、体を寄せ合って眠っている。
「わぁ…かわいい!なんの雛なの?」
「なんだろう?僕もよく分かってないんだ。でも毎年ここに巣を作りにきてるんだよ。親鳥がいない間にたまに観察してるんだ」
「そうなんだ。こんな間近で見たの初めてだよ。十四松くん、よく気が付いたね」
「僕、よく木登りするからね!」
うん、普通ならツッコむところだけど、十四松くんだから許せる。なんだろ、違和感がない。