第13章 自分らしさと君のぬくもり【十四松】
そうして連れてこられたのは、とある運動公園。
緑が豊かで穏やかな場所だけど…何がお気に入りなんだろう?
「絵菜ー!こっちだよー!」
声がして振り向けば、十四松くんはいつの間にか側を離れて、公園の中央にある大きな木によじ登っていた。
「え!?十四松くん、危ないよ!」
慌てて駆け寄るも、彼は「へーきへーき!」とまるで下りる素振りを見せない。
「君も登るー?」
「のぼ…っ!?む、無理だよ、私木登りなんてしたことないから…!」
「そっかー。じゃあ」
彼は素早く木から飛び降り、綺麗に着地すると、
「はい!」
なぜか私の前に背中を向けて屈み込む。
「…え?も、もしかして、おんぶ?」
「そーだよー!大丈夫、絶対落とさないから!」
う、うぅむ…なんだろう、この反応に困る感じは…!
でもきっと、私に見せたいものがあるに違いない。幸いにも今日はわりと動きやすい格好だし…
「わ、分かった。し、失礼します…」
「バッチコーイ!」
恐る恐る彼の背中に乗る。お、おんぶなんてそれこそ子供の時以来だな…変に緊張する。
「お、重くない?」
「ぜーんぜん!むしろ軽い軽い!」
「そ、そう?」
十四松くん、案外力持ちなのかな?確かにふらつくことなく余裕で歩いてるし。
「登るから、しっかり掴まっててね!」
「あ、は、はい!」
ぎゅうっと彼の肩にしがみつく。というか成人女性を背負ったまま木登りなんてできるの?!