第12章 縮まる距離、溢れ出す想い【おそ松】
「おそ松くんはここで待っててね!」
なかば無理やりおそ松くんを引っ張ってチケットブースから遠ざけ、念を押してから買いに行こうとすると、
「ちょい待ち、絵菜ちゃん」
「え…っわ!」
彼に腕を引っ張られて、そのままぽすっと背中から抱き締められた。
周囲の目が気になりすぎてパニックになる。
「!?お、おおお、おそ松くん?!な、何してるんですか!」
「いやだからなんで敬語…ま、いーや。なぁ、今日はお礼デートだろ?じゃあ俺の言うこと聞いてくれるよな?」
彼が話すたびに、耳元に吐息がかかってくすぐったい…そしてこの体勢が非常に恥ずかしい!
「き、聞く!聞くから!」
「なんでも?」
「聞きます!だからお願い、離してください!」
「よろしい」
やっと彼が体を離してくれた。し、心臓に悪いよ、もう…。顔も、なんだか熱いし…。
「っつーわけで、デートしてる間は俺絵菜ちゃんの財布になるから、そこんとこよろしくな!券買ってくる〜」
「えぇっ!?」
「あれ、お願い聞いてくれるんじゃなかったっけ?」
ニシシ、といたずらっぽい笑みを浮かべるおそ松くん。
そ、そんなの反則だよ〜…!
結局うまいこと丸め込まれてしまった。というか私が、押しに弱すぎるのか…