第12章 縮まる距離、溢れ出す想い【おそ松】
手を繋いで歩くこと十数分。私たちはバス停に辿り着いた。
「バスでどこかに行くの?」
「とりあえず駅までな。そっから電車でまた移動」
「その先は?」
「着いてのお楽しみ〜」
うぅ、そう言われると余計に気になるよ…!
「あー、でもちょうど昼だしなぁ。駅についたら近くの店でなんか食ってくか」
「うん、そうだね」
「なんか食いたいもんある?」
「なんでもいいよ。おそ松くんは?」
「じゃあ俺ラー…」
?あれ、おそ松くん止まっちゃった。何か考えてるけど…ラーってことは、
「ラーメン?」
代わりに聞くと、おそ松くんは首を横に振る。
「あーいや、そうじゃなくて。…くっそートド松の奴、だめ出しするだけしといて後は自分で考えろとか拷問すぎんだろ…」
「?」
後半は小声だったためによく聞き取れなかったけれど、彼が何かに悩んでいるのはなんとなく分かる。
なんでもいい、なんて、この場合失礼だったよね。ちゃんと食べたいものを言ってあげた方が、おそ松くんも困らないかもしれない。それじゃあ…
「あの、おそ松くん。私やっぱり洋食が食べたいな。ほら、パスタとかオムライスとか」
嘘ではない。確かに今は絶対これが食べたい!というほどではないけれど、外食では大体洋食派だ。
それを聞いたおそ松くんが目を輝かせる。
「洋食な!分かった、俺も賛成!……た、助かった……」
「う、うん?」
胸を撫で下ろすおそ松くん。よく分からないけど、これでよかったのかな?
向こうからバスが走ってくるのが見える。予定時刻もぴったりだ。
「おそ松くん、バスが来たみたい」
「あぁ、もう時間か。あれ乗って、まずは駅だな」
一緒に食事をするのも楽しみだけど、電車に乗ってどこに行くんだろう?わくわくするなぁ。