第10章 衝動【カラ松、チョロ松】
【絵菜side】
「ほら、降りて」
とある一軒家に辿り着き、彼はガレージに車を停め、私に降りるよう促す。
…いくらみんなに助けを求めたとはいえ、頼りきるわけにはいかない。自分でも打開策を考えないと。
例えば、今ここで素直に車を降りて、あいつが運転席から出る前に走って逃げ出すことも、できなくはない。
けれどきっと私の足ではすぐ追い付かれるだろうし、何より場所が全く分からない。何か目印でもあればいいけれど…
「ああ、逃げようとか思ってる?やめておいたほうがいいよ、もう夜だし、か弱い女の子が一人歩きするような時間じゃない」
「っどの口が…!」
「ま、いずれにせよ時間切れだけどね」
話している間に彼は運転席から出て、後部座席のドアを開け、私の腕を掴む。
「はい、確保。お前って本当どんくさいよなぁ」
「痛…っちゃんとついていくから離してよ!」
「信用できないな。いいからこい」
そのまま強い力で引っ張られ、私はなすすべもなく家の中に引きずり込まれた。