第10章 衝動【カラ松、チョロ松】
【カラ松side】
日が暮れて暗くなり出した街中を全力で走る。
こんなに何かに必死になるのは何年ぶりだろう。少なくともニートとして自堕落な生活を送るようになってからはなかった行動だ。
…それほどまでに、俺にとって彼女は、特別な存在なのだろうか。
「!あった!」
ようやくデカパン博士の家に辿り着き、ドアを荒々しくノックする。
「デカパン博士!いるか?!」
「ホエ〜、どちら様ダス〜?」
ドアが開き、デカパン博士が姿を見せる。余裕のない俺は博士の肩を掴んで詰め寄った。
「火急の用件なんだ!礼はいくらでもするから、俺の頼みを聞いてはくれないだろうか?!」
あまりの勢いに博士は目を丸くして驚いたが、
「とりあえず落ち着くダス。ちゃんと話は聞くから、まずは中に入るダスよ」
いつもの優しい笑みを浮かべ、俺を家に招き入れてくれた。
「ホエホエ〜、なるほどダス〜」
なんとか手短に事情を話し終え、博士は何やら考え込む仕草を見せる。
「なんでもいいんだ!できるだけ素早く彼女の元に辿り着ける乗り物があれば貸してほしい!この通りだ!」
椅子から下りて土下座する俺を、「頭を上げるダス」と博士は宥める。
「…ないこともないダス」
「ほ、本当か!?」
「ただし…」