第13章 学愛 〈 ?? 連載中〉
「店長さぁんっ♡♡スマイルくださいっ♡♡スマイルぅ♡」
ーーーーばっちゅん!!♡
ーーー!?
「お客様、あ、あの..?カウンターの台の上に、乗っかって座らないで下さい」
店長さんは、言いながら営業スマイルを引き攣らせる。
「ごめんなさい店長さぁんっ!♡降りまーすっ!♡♡」
被っていたパーカーの、猫耳付きフードを揺らし、"彼女"は勢いよくカウンター台から降りた。
「店長さぁんもっと!もっとスマイルくださいっ!そのたび1泊延長しますのでっ!!♡♡」
ーーーーーーカッシャーンッ!
「!?」
床に落ちたのは、307号室の鍵らしかった。
糸目の笑顔の店員さんが、手を滑らせて落としてしまったらしい。
「...」
店長さんはコホンと咳払いをして、"彼女"に「申し訳ありませんお客様、本日貸切で..」と説明し始めた。
「それでねン♪」
鍵を素早く拾った店員さんが、くるりと振り返ってくる。
ーーーなに、なに...?このホテル、色々と大丈夫なの...?!
「てんちょンの事は大丈夫ン〜♪あ、ここにあるのがお土産屋さんだよン〜♪」
何事もなかったかのように、呑気にご案内し始める店員さんに..私はズッコケそうになっていた。
「数日間ホテル、貸切なんですねぇ〜がっかりですぅ..」
店員さんと一緒にエレベーターに乗っても、"彼女"の声が耳に入ってきた。
「待ってます店長さぁんっ!また貴方サマにお会いできるの、永遠、に....♡♡」
"彼女"の瞳孔は、完全に開いていた。
「...っ!」
思わずぞぉっとする。
そのまま、"彼女"はホテルから出ていった。
「お客様..、"待つ"..?"永遠に"..?」
店長さんは、無表情になって顎に手を添えていた。
「貸切後にゃ、またホテル泊まれるのにな」
ーーーえ...?て、店長さん?た、たしかにそうだけども...!
そんな事を目撃している間に、エレベーターのドアが閉まった。
ーーそうじゃない、でしょ...!?
『ティン♪3階に、つきました。』