第14章 Ephemeral(黄瀬涼太)
彼と一緒になってから、幸せなことしかなくて、時々心配になる。
なんか、すごいしっぺ返しが来るんじゃないかって。
それか、シンプルに私に飽きちゃったりとか……。
「涼太って、なんか、ほら、妻は家族だから女として見れない……みたいなの、ないの?」
「ぶ、今この状態でする質問っスか?」
「いや、そうなんだけど、そうなんだけど!」
全裸で跨ったまま何言ってるんだっていう、涼太の質問は至極真っ当で。
「全くないっスねえ。普段の超強いかーちゃんになった姿も好きだし」
「え!? 私、なんか変わったかな!?」
まさかのその発言。
確かに、母親になってからちょっとやそっとじゃ動じなくなった自覚は、ある。
なんか、ゴリラみたいな姿を見せてたらどうしよう……。
「変わったっスよ。最強になった」
「なんか……ボス猿みたいな……ゴリラみたいな感じになってたらごめんね……」
私のその発言がツボに入ったようで、涼太は「そんなわけ」って言いながらまた暫く爆笑してた。
「あっ……涼太、日が変わるよ」
リビングの文字の大きい時計が、6月18日の始まりを教えてくれた。
「涼太、お誕生日おめでとう。生まれて来てくれて、本当にありがとう」
いつものお祝いの言葉。
いつものやりとり。
「今年もありがと。嬉しいっスわ……じゃ、復活したら寝室でもう一回戦しよっか」
「もー、明日起きられなくても知らないよ!?」
笑って、ふざけて、結局その日は深夜まで愛し合った。
一年に一度の特別な日、これからもずっとお祝いできますように。
大好きだよ。
Happy Birthday,RYOTA♡♡♡