第126章 相手の心を開きたいなら、まずは自分の心を開け。
そうして足を向けたのは歌舞伎町にある公園。土地柄なのか、季節的なものなのか。公園の木々にはネオンが巻き付けられており、夜でも割と明るかった。色とりどりのライトを見て、またもや葵咲のテンションは上がる。
葵咲「わぁ。クリスマス終わってもまだライトアップしてるところあるんだね。」
土方はその発言には応えず、足を止めて真剣な眼差しを向ける。
土方「葵咲。」
葵咲「ん?なに??」
土方へと向き直って話を聴く姿勢を見せる葵咲だったが、土方は躊躇うように口を閉ざす。まだ迷っているのだ。気になっているコト、葵咲が抱えているモノについて、訊くかどうかを。
だがやがて、そこから前へと進むべく重い口を開いた。
土方「・・・・お前が…恋愛(俺)に対して消極的なのは…まだ松陽の姪である事を気にしてんのか?」
葵咲「!」
土方が何を言おうとしているのか、何を訊こうとしているのか、それが葵咲には分かった。故に今度は葵咲が押し黙ってしまう。
葵咲「・・・・・。」
土方「・・・・・。」
土方としては、本当は直球で聞きたい。高杉との関係についてを。だが、訊けない…。姪である事が原因だと肯定して欲しいという気持ちもある。
そんな土方の本心とは裏腹に、葵咲は躊躇いながらも小さく首を横に振った。
葵咲「…ううん、違う。そうじゃ…ない。」
土方「!」
チクリ。
土方の胸が痛む。
そこからまた、暫く沈黙がおりる。葵咲は自ら腕を抱える手に力が入ってしまう。
(葵咲:短英さんは、ああ言ってくれてた。話しても大丈夫だろうって。けど…本当に大丈夫なのかな。本当に嫌われない?私は…今のままでいられるの・・・・?)
大きな不安が押し寄せてくる。話すべき事実がある事、そしてそれは土方ならきちんと受け止めてくれるであろう事は、頭では分かっている。だが、まだ勇気が出ない。