第126章 相手の心を開きたいなら、まずは自分の心を開け。
ライブ会場は、大江戸遊園地内にあるショー等を行なうイベントスペース。入口でチケットを確認され、ライブチケットを持っている者のみが会場入り出来るのだ。席は全席自由。前の方を陣取ろうと、多くの客が開場前から並んでいた。勿論、妙達も。
葵咲と土方は少し出遅れてしまい、後方からの観覧となる。まぁ葵咲も土方も、とりわけB'zのファンというわけではない。その場の熱気を楽しむだけで充分だった。
葵咲「私、最近の音楽には疎い方だし、ライブなんて初めてだから感動!凄く楽しい。」
土方「そりゃ良かったな。近藤さんに礼言っとけよ。」
葵咲「うん!」
本当に楽しそうな表情を浮かべる葵咲を見て、土方も安心したように顔が綻ぶ。
そうして日付が変わる頃合い、ライブはいよいよ大詰めとなる。
「じゃあカウントダウンスタート!10!9!…5!4!3!2!1……ハッピーニューイヤァァァァァ!!」
大声で叫ぶМCと共に、花火が打ち上がる。
葵咲「凄い!花火まで!」
まるで子どものようにはしゃぐ葵咲を見て、土方からは思わずフッと笑みが漏れる。
縁日の花火とはまた違った空気感に、葵咲は高揚する。そして隣にいる土方の方へとちらりと目を向けた。
(葵咲:隣には土方さんがいて…幸せだな。私は…このまま幸せになっても・・・・いいのかな…。)
様々な想いが葵咲の中を駆け巡り、ふいに視線を落としてしまう。その視線の動きに気付いた土方もまた、葵咲の方へと目を向けた。
土方「!」
ディナークルーズの時のように涙を浮かべているわけではない。だが、哀愁漂うその意味深な横顔に、土方の胸はざわついた。
土方「・・・・・。」