My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「もう日付変わっちゃったね…」
先に方舟ゲートを出て教団内部に踏み込んだ雪が、時計を確かめながら少しだけ残念そうに溜息を零す。
別にその日のうちに祝わないといけない決まりなんてないだろ。
…そう思ったが、言うのはやめた。
こいつなりの拘りがあったんだろう。
「雪」
「何?」
「任務報告は俺がする。お前は風呂に入ってこい」
「…え?」
「また前みたいに風邪ひかれたら迷惑なんだよ。そのまま自室戻って寝ろ。髪はちゃんと乾かせよ」
「……」
「…んだよその顔は」
とにかく第一にさせるべきことを促せば、雪は驚愕の表情を浮かべて固まった。
…どういうリアクションだそれ。
「ユウが………優しい」
「…優しさが不要なら一発殴ってやろうか」
「い、いいえ! ありがとうございます!」
拳を握って掲げてやれば、即座に首を横に振って距離を取る。
ったく、いいからさっさと風呂入ってこい。
「でも、任務報告くらいならすぐ終わるし…私も司令室に行くよ」
「…その甘さが体調悪化させんだろうが」
「ぅ。で、でも…折角、ユウとの任務なんだし…ちゃんと最後まで全うしたいというか…」
頭を指先で軽く掻きながら、言い難そうにぼやく。
「もうちょっと…一緒にいたいというか…」
そんな雪の言葉には、呆れて出そうになった溜息をつい呑み込んだ。
…そういうこと言うな。
否定できなくなるだろうが。
「……チッ。なら報告はお前が全部しろよ」
「!…うんっ」
踵を返して司令室に向かえば、雪はぱっと笑みを浮かべてついてきた。
……そういう反応すんな。
下手にあしらえなくなるだろ。