My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
誰にも縋らず、一人で立って生きようとする。
そういう奴は嫌いじゃない。
雪がそういう奴だってことも前からわかってた。
……なのに。
「…お前が求めるもんに、口出す気はねぇが…」
亡き存在に嫉妬なんてしない。
ましてや親なんて、張り合ったって仕方のないものだ。
雪にとってその存在は、他では代えられないもの。
それでも、まるでその存在を追うかのように、橋の外に身を投げていた雪の姿を思い出すと、無性に不安感が湧いた。
…だから虹に手を伸ばす姿さえ、無意識にその腕を掴んで引き止めていた。
「……俺はお前を置いていったりしない」
「え?」
「………だから此処にいろ」
ずっと今まで背を向けて生きてきた奴だから。そのまま呆気なく消えてしまうんじゃないかと、そんな変な不安を感じることはよくあった。
…これだったのか。
背中ばかり向けている雪が、唯一真っ直ぐに見ているもんは、手の届かない所にあるから。
だから雪自身もいつか手の届かない所に消えてしまうんじゃないか。
そんな馬鹿げた不安が浮かぶ。
…馬鹿げているが、確かな不安。
「此処にいろ」
座席に置かれた、小さな手を上から握る。
驚いたように顔を上げて向けてくる目は、やっと俺を映し出した。
そんな些細なことにほっとする。