My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「形なんざ、腹に入れば全部同じだろ。…これなら断然食える」
「本当?」
もう一つ、ケーキの欠片を口に放る。
するとまるでガキみたいに、嬉しそうな笑みを浮かべる雪にまた、むず痒さを感じた。
どこか首元がこそばゆい、そんな感覚。
望んでこの体に生まれた訳じゃない。
そんな日を"おめでとう"だなんて言われて、嬉しいと思ったことはなかった。
"はっぴーばーすでぃ、ユウ"
……ああ、そういやあれだけは違ったな。
初めてこの体で目覚めた時に、真っ先に"おめでとう"と祝ってくれたアルマ。
目の前でにこにこと笑うアルマが誰で、なんでそんなことを言われたのか。
全くわからない頭を抱えたまま、でも不思議とあいつの言葉をすんなりと受け入れていた。
「…雪」
「うん?」
…それと同じだ。
誕生日なんてめでたいと思ったことはない。
今でだって、そんな感情すんなりと受け入れられない。
……ただ、こうして皮膚の薄い肌がこそばゆさを感じるような、そんな感覚を貰えるなら。
こうして雪の想いを形にして貰えるんなら。
「…これ、来年も作れよ」
こんな日があっても、悪くはないなと思った。