My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「……下らねぇ」
言えなくなった言葉の代わりに漏れたのは、さっきと同じもの。
「だから…っ…」
顔を上げて何か言いたげに、雪の顔がショックを受けたものに変わる。
言いたいことはわかったから、その先は言わせなかった。
違ぇよ、そういう意味じゃない。
「下らねぇだろ。そこまで思いを込めたもんなら、どこが駄目だってんだよ」
「ぇ……あっ」
座席に置かれていた、引き裂かれた荷物に手を伸ばす。
「お前、前に言っただろ。思いが込められたもんはちゃんと受け取れって」
バレンタインだなんて周りが浮足立った日に、雪が俺に言った言葉。
忘れたとは言わせねぇからな。
そう目で言ってやれば、伝わったのか。何か言おうと開けたその口を、雪は閉ざした。
「ならちゃんと寄越せ。俺の為に用意したもんなら、それは俺のもんだろ」
「でも…プレゼントは使えないだろうし…ケーキも、ボロボロだから…」
止めようとはしないものの、不安げな目で見てくる。
そんな雪の視線に構わず引き裂かれた荷物を漁れば、確かにボロボロな箱が出てきた。
どう見たって人にやるような状態の包装じゃない。
それは雪も感じたんだろう、僅かに息を呑む気配が伝わった。