My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「ひゃ…ッ」
AKUMAが悲鳴を上げて、一気にその体を浮上させる。
まるで逃げ出すようなその姿に怒りは増した。
私の大事なものを壊しておいて、逃げ出すなんて。
「許さない」
拳を握る。
──パリッ
肌の上を走る微弱な気配。
睨み上げたAKUMAが浮かぶ茜色の空。
そのAKUMAの頭上に、先程と同じ眩い光を見た。
丸く小さな輪っかのような──…そんな不思議な光の形。
…のような、気がした。
「ひぎィ!?」
はっきりとその形を確認する前に、AKUMAがその光の輪と同じ閃光に包まれたから。
バリバリとまるで電流のような凄まじい音を立てて、AKUMAから漏れる悲鳴。
「な…ッ」
驚いたユウの声が、その激しい電流の音の合間に耳に届いた。
だけどそれも束の間、
「理屈はわかんねぇが…これで終いだ!」
そう叫ぶと、目も眩む閃光に包まれて動けないAKUMAに向かって、大きく構えた六幻を振り上げた。
ぶおっと大気が揺れる。
同時に、六幻の刃を纏う強い気が放たれた。
バチバチと光って目に見える刃のような形の斬撃が、一直線にAKUMAを襲う。
「"爆魄斬(ばくはくざん)"!!!」
痙攣を起こしたまま動かない、AKUMAの煙のような体に斬撃がぶつかる。
──刹那、
ドォンッ!
それは凄まじい爆発を起こした。
「っ…!」
あまりの爆風に吊り橋が大きく揺れる。
咄嗟に近くのロープに掴まると、揺れる吊り橋にズタズタになった荷物が──…あ!
「駄目ッ!」
谷底に落ちそうになっている荷物に、咄嗟に飛びつく。
なんとか荷物は抱えられたものの、そのまま大きな揺れに体は橋の柵の上に放り出されそうになった。
止めたのは強い力。
「ったく…!何度も落ちそうになってんじゃねぇよ!」
見えたのは、焦りを感じさせる顔でこっちを睨み付けているユウの顔だった。
「ご、め…っ」
助けてくれたのはあり難いけど…でもね、
「く…首…苦し…ッ」
フードを引っ張るのだけは、やめて下さい…!