My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
✣
ガキンッ!と刃物がぶつかり合うような鈍い音が響く。
「血ィ…! 血ィ吸わせろ…!」
「るせぇなクソが…!」
AKUMAらしきものの笑い声と、ユウの悪態が合間に耳に届く。
「……」
だけど私は、目の前の光景から目が離せなかった。
ズタズタに引き裂かれた荷物。
慌てて中を漁って見えたのは──…同じくズタズタに引き裂かれてしまった、包装物。
ユウの為に用意した、ケーキとプレゼント。
「……嘘…」
何度も練習して、やっとそれなりの形になったケーキなのに。
プレゼントだって、悩みに悩んでやっと決めたものなのに。
こんなに一瞬で、壊れてしまうなんて。
…こんなに、呆気なく。
「…っ」
…頑張ったのに。
こんなことしたことなかったから、結構頑張ったのに。
喜んでくれるかどうかなんてわからなかったけど、だからこそ自分ができる精一杯のことをしようと思ったのに。
ジェリーさんやリナリーやアレンも、手伝ってくれたのに。
コムイ室長だって、フェイさんに文句言われながらもユウとの一緒の任務に当ててくれたのに。
「そいつゥ…そいつ…も…エクソシスト…!?」
「っ! おい馬鹿逃げろ!」
ユウの珍しく焦った声がして、顔を上げる。
見えたのは私に向かって突っ込んでくる、ヘンテコな形をした煙のようなAKUMA。
……こいつが。
──パリッ
諸悪の根源であるAKUMAに怒りが募る。
同時に肌の上に微弱な気配を感じた。
こいつが。
「血ィ吸わせろ…!」
ヘンテコなAKUMAが煙のような腕を突き出す。
その先は大きな刃になっていて、迷わず私の真上から振り下ろされた。
「雪!」
本来なら逃げ出さなきゃいけないのに、何故か足はその場から動かなかった。
目の前のAKUMAへの怒りで。
こいつが── 壊 シタ
バチンッ!
「ひひゃ…っ!?」
振り下ろされる刃が、私の手前で弾かれる。
飛び散ったのは強い光。
目が眩みそうな程の光なのに、何故か不思議と視界はよく見えた。
光の向こうにいる、変な悲鳴を上げる変なAKUMAが。