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My important place【D.Gray-man】

第37章 6/6Birthday(番外編)



「…というか…手を貸してくれませんか…」

「自力で上がってこい、それくらい」


 噤んだ口は、やっぱりその先を言葉にはしなかった。
 どうにか肘を吊り橋の板について、恨めしそうに見上げてくる顔を見下ろす。
 それくらい自分で這い上がってこい、できんだろ。


「どんだけ手厳しいの…」

「──!」


 その時、グチグチと文句を垂れる雪の背後で白い靄が揺らめくのが見えた。


「これで落ちたらユウの──…わっ!?」


 咄嗟にそのマントの襟首を掴んで、一気に引き上げる。


 ザシュッ!


 揺らめく霧状の"何か"が背後から雪を襲う。
 一気に引き上げた体に、間一髪その刃からの攻撃は免れた。


「出やがったな」

「え? 何が…えっ!?」


 引き上げた雪から手を離して、その揺らめく霧状の"何か"を睨み付ける。


「今何か斬撃が…っ」

「お前は其処から動くな、恐らくこの霧の中に何か──」

「あぁあああ!!!」

「!?」


 遮ったのは劈くような悲鳴。
 いきなり上がったその悲鳴に驚いて、何事かと振り返る。
 見えたのは、驚愕の表情を浮かべている雪の顔。


「荷物が…!」

「あ?」


 荷物?

 目線の先を追えば、雪が背負った荷物に向けられている。
 さっきの斬撃はそこにぶち当たっていて、いつも背負っているそれは見るも無残にズタズタに引き裂かれていた。
 …んだよ、驚かせんな。


「たかが荷物だろ、命があるだけマシと思え」

「たかがじゃない…! たかがじゃ!」


 慌てて荷物を下ろして伺う雪の顔は顔面蒼白。
 んなもん一つにここまで慌てる姿は初めてで、思わず呆れていると。


 ぞわ、


「!」


 背後から感じる殺気に、振り向き様に抜いた六幻を振り下ろした。


 ガキンッ!


 ぶつかったのは固い鉄のような感触。
 見えたのは、


「ひひゃァ…止めた…止めやがった…」


 霧状の"何か"が形作った、口のようなもの。
 そこから発せられたのは人が理解できる言葉。

 くすくすと笑う声には聞き覚えがあった。
 …こいつがさっきの幻の原因か。

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