My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
「……ビビリ過ぎだろ」
そんな感覚から意識を逸らすように、視線を前方に戻す。
「そんな調子じゃ、お前俺以外と組めねぇじゃねぇか」
「あー…だからよく組まされてたのかな」
後ろから軽く笑う気配がする。
んな阿呆な理由で組まされる訳ねぇだろ。
そう言い返すつもりだったのに、何故か言葉は口から出なかった。
ギシギシと揺れる吊り橋も視界の悪さも変わらない。
ただなんとなく、その場に流れるお互いの空気は悪くないと思った。
ギシ…ギシ…
歩く度に吊り橋が揺れる。
微かな揺れと微かに軋む音。
聞こえる音はそれだけ。
「…ねぇ、ユウ」
「なんだ」
お互いの間にできた雰囲気は、行きの時より悪くない。
沈黙だって別にできたって悪くはない。
それでもその沈黙を破るように、声を発した雪は列車の中と同じ。どこか恐る恐るとしたものだった。
「なんかさ……吊り橋、長くない?」
「……」
それは薄らと俺も感じていることだった。
山間に引っ掛けられてる吊り橋だから、それなりに長いことは予想していた。
それでも体内時間が正しければ…もう30分近くは歩き続けてる。
こんなにかかる程長い距離の吊り橋なんてあるのか。
「…世界遺産なんだろ。それだけ規模もでかいんじゃねぇか」
「そう、かなぁ…」
辺りは視界が悪いから、後どれ程の長さがあるのかもわからない。
「…前もさ、こういうことあったんだよね」
前?
言い難そうに、ビクついた様子で雪が意味深なことを口にした。