My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
✣
ガタン
ゴトン
「……」
「…ユウ」
「…なんだ」
揺れる列車の中。
向かい合わせに座った雪が、顔色を伺うような声で呼ぶ。
腕組みしたまま瞑っていた目を開ければ、案の定予想通りの顔をしていた。
「ええと…こうして一緒の任務につくの、久しぶりだね」
言葉を選ぶように話しかけてくる。
緩い笑みを浮かべて、でもどこか気遣うように。
いきなり通信ゴーレムにコムイから連絡が入ったかと思えば、当日任務の命。
急に入れるなと文句を言いながら訪れた司令室で、雪の姿を見た時は予想外で目を疑った。
阿呆みたいに俺達を組ませていたかと思えば、阿呆みたいに組ませなくなった癖に。
一体どういう心境の変化だとコムイを睨み付ければ、相変わらずヘラヘラと馬鹿みたいに笑っているだけだった。
あいつの心意はまるで読めねぇ。
……別に読みたくもねぇけど。
「しかも場所が世界遺産だなんて。なんか少しワクワクするかも」
「遊びじゃねぇんだぞ。浮かれてんな」
「…うん、まぁ…そうだよね。ごめん」
つい素っ気なく返せば、苦笑混じりに謝罪一つ。
取り繕うようなその笑顔は、かつて俺が嫌っていたもの。
今では気にならなくなったが…別の意味でなんとなく嫌な気になった。
そんな態度を取らせてんのは、多分俺の態度の所為だろう。
…それでもこの胸の中にあるもやもやは消えない。
ここ最近のこいつの言動は、不可解なものが多かった。
声をかけようとすれば足早に逃げたり、変なことを尋ねてくる癖に素直に答えてやっても不満気な顔をしたり。
大体なんで普通にモヤシと二人で出掛けたりしてんだよ。
ノアのことを気にかけるモヤシの言い分は理解できたが、それでも気に喰わない。
何しに街に下りたかと問いかけても、明確な返事をこいつはしなかった。
そういう総合的なもんを見れば、こいつは最近コソコソしてやがる。
夕方からは忽然と姿を消すし、二日前も用事があるからと、夕刻になった途端に俺の腕の中から逃げ出した。
…お陰で満足に触れなかった。
その悶々とした思いがまた苛立たせる。