My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
―6月6日―
「聞いたわよぉ、雪ちゃん。昨日廊下でまたあの二人が大喧嘩したそうじゃない」
「…見てたのに誰も助けてくれなかったんですよね…」
朝、食堂の受付カウンターで昨日の騒動をジェリーさんにツッコまれて項垂れる。
ギャラリーはそれなりにいたのに、誰も止めようとはしてくれなかった。
や、確かにあの凄まじい二人の殺気に飛び込む勇気は中々ないだろうけどさ…私、近くにいたんですよ。
なんだかんだユウが服を掴んだ手を離してくれなくて、逃げられなかったんですよ。
…一人くらい助けようとしてくれたっていいんじゃないかな。
世知辛い世の中です。
「ま、それより…今日は例の日でしょ? 昨日のケークサレの出来もよかったけどん。今日本命を作るの?」
「あ、はい。後で厨房お借りしてもいいですか?」
「モチのロンよ♪ 早めに借りに来なさいな、今日はゆっくりお祝いしたいでしょ?」
ヒソヒソと小声で話しかけてくるジェリーさんに、はっとして頼み込む。
そうだ、今日はとうとう誕生日当日。
幸いユウも私も休みだし、よかった。
毎晩厨房を借りて練習してたケークサレも、まぁマシにはなってきたし。
今日作ったものが昨日のより出来がよかったら、プレゼント用に綺麗にラッピングしよう。
プレゼントもあれでいいか不安はあるけど、今更買い替える暇もないし。
もうあれでいいよね、腹を括ろう。
「すみません、ジェリーさん。ありが」
「おー、いたいた。月城」
頭を下げようとした私を、後方から飛んできた声が遮る。
振り返れば、軽く手を挙げたリーバーさんがこっちに……なんか嫌な予感。
「おはよう」
「…おはようございます」
…まさか。
「朝飯が終わったらでいいんだ、その後司令室に来てくれるか? 任務が入──どうした?」
や っ ぱ り。
「……いえ」
まさかこのタイミングで任務が入るなんて…このタイミングで!
どれだけ日頃の行いが悪いのか。
思いっきり項垂れる私に、リーバーさんが心配そうに目を向けてくる。
…いえリーバーさんは悪くありませんから。