My important place【D.Gray-man】
第23章 2/14Valentine
「──ん?」
胸に浸み込む感情を抱いていると、突然にぽつりと鼻の頭に冷たい何かが降ってくる。
見上げればさっきまで快晴だったのに、いつの間にかどんよりとした雨雲が空を覆っていた。
うわ…嫌な予感。
「わっ…降ってきたッ」
「まじかよ…」
ぽつぽつとすぐに小降りに冷たい雨が肌を濡らしていく。
同じく空を見上げた神田が顔を顰める。
「ったく。走るぞ」
「うんっ」
小降りだけど、同じく雨を感じた周りの人込みが一斉に動き出す。
その流れに呑まれる前にと足を速めるけれど、小降りだった雨が強さを増す方が早かった。
「わ…ッ」
視界が悪くなり、周りの人込みも窮屈になる。
皆走り出すから、余裕のない体があちこちぶつかってしまう。
「月城ッ」
名前を呼ばれた気がして見渡す。
既にザァザァと雨音が強かに耳を打つ世界は視界も悪く、見慣れた高い身長は見当たらなかった。
「神田…っ?」
え、嘘。
まさか逸れた?