My important place【D.Gray-man】
第23章 2/14Valentine
「うーん、お腹いっぱい」
「よくあんな量食えたな」
「結構頑張った」
会計を済ませてお店の外に出た時には、空腹を充分過ぎるくらい満たしたお腹はぱんぱんだった。
神田は最初のジャケットポテト以外何も口につけなかったから、二人分全部私が食べた結果だ。
でも昔からご飯を残すことはできなかったから仕方ない。
「いいんじゃねぇの。お前ひょろ過ぎるから」
「そんなにひょろひょろかな」
「片手で運べるくらいだ、軽過ぎんだろ」
神田に背中なり腕なり鷲掴まれて引き摺られることは日常茶飯事。
ゾンビ事件でも俵担ぎみたいに肩に乗せられたこともあったっけ。
でもあれは私が軽いというより、神田の力があり過ぎるんだと思う。
それなりに筋肉もついているし鍛えてるのは知ってるけど、鍛えているからこそ細身なところは細身。
それであのファインダー仲間のバズの巨体を片手で持ち上げたりもできるんだから凄いよね。
どうしたらそんな力持ちになれるのか………それ、神田のセカンドエクソシストの力でもあるのかな。
未だに第二使途のことを調べて知ったことは神田に伝えてない。
神田も特に私に聞いてきたこともない。
となるとやっぱり自分のことを伝えようというより、知りたいと言った私の為に教えてくれたんだと思う。
「じゃあもっと鍛えるね。任務で足手纏いにならないように」
お店を出て街の人込みの中に再び紛れる。
バレンタインの影響なのか、いつもより密度が濃い気もする。
人にぶつからないように前を見ながら伝えれば、隣から視線を感じた。
見ればやっぱり、見下ろしてくる神田の目と合う。
静かでも印象付く視線は、すぐにふいと逸らされた。
「充分鍛えてんだろ」
え?
「休日にあそこまで稽古漬けする奴、ファインダーの中でも早々いねぇよ」
「…そう?」
人込みに目を向けたまま、淡々と話す神田はいつもと変わらない。
でもその口から出てくる言葉は、いつもと違っていた。
「まだまだなところもあるけどな」
と思った矢先、やっぱり神田らしい言葉が──
「足手纏いだと思ったら、何度も一緒に任務なんか組まねぇよ」
「……え?」
一度は呑み込んだ疑問符を、今度は口に出してしまっていた。
だって…今、認めた? 私のこと。