My important place【D.Gray-man】
第21章 地獄のティータイム
「…ラビ、ほっぺた」
「いえっさー」
まじまじと神田を見たまま呟けば、横からむにっとラビが頬を抓ってくれた。
やっぱり痛い。
「だから阿呆なことしてんじゃねぇよ」
「痛ぇッ!? ユウ痛い痛い! 顔千切れる!!」
途端に不快にでも感じたのか、眉間に皺寄せた神田がラビの頬を抓る。
ぎゅーっと、それはもう思いっきり、ぎゅぅううっと。
うわ…凄く痛そう。
ラビ、ちょっと涙目になってるし。
それくらい痛いなら、きっとこれは夢じゃないんだろうな。うん。
「やっぱユウはユウさ…!」
「なに意味不明なこと言ってやがる」
ラビの言う通り。
一瞬まるで別人に思えたけど、やっぱり神田は神田でした。
「それで仕事は終わったのかよ」
「まぁ一応、急ぎの分は」
「あー、イテテ…でもだからって随分早い入浴じゃね? まだ夕方にもなってねぇのに」
「あはは…ちょっと機械整備したら、体が汚れちゃって」
ようやく神田から解放されて、赤くなった頬を擦りながら問うラビに、曖昧に笑って返す。
臭いって言われたからなんて早々言えない。恥ずかしい。
「ラビ達もお風呂入ってきンぶッ」
いつまでも此処で立ち話させるのもアレかなと思って、二人をお風呂に促す。
するといきなり口に飛び付いてきた物体によって、不格好に言葉を止められてしまった。
「…ティム?」
「ガァアッ」
見えたのは、私の口元に球体を押し付けてギザギザの歯を見せて鳴く金色のゴーレム。
「なんさ、ティムキャンピーじゃんか」
「モヤシのゴーレムがなんで此処にいんだよ」
そんなの近くにアレンがいるからじゃ…あれ?
「いない…」
辺りを見渡しても、あの目立つ白髪の頭は何処にも見当たらなかった。
「ティム、アレンは?」
「ガァッ」
「うん、ごめん。わかんない」
やっぱりこの鳴き声を理解できるのは、アレンだけだと思う。
「アレンなら、さっき食堂で大量の飯食ってたの見たさ」
「食堂で?」
食事中なんだ。
ティムはゴーレムだから別に食事なんて摂る必要はないけれど、アレンを真似て食事している姿は過去見かけたことがある。
なんでアレンから離れて此処にいるんだろう。