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My important place【D.Gray-man】

第21章 地獄のティータイム



「臭い、消えたかな…」


 頭から熱いシャワーを浴びながら、くんくんと自分の腕を顔に寄せて匂う。
 あの後一通り急ぎの書類仕事だけ終わらせて、すぐにシャワー室に向かうとリーバーさんに言われた通り体を綺麗にした。

 一応、これでも女ですから。
 臭いなんて思われたくないし。


「多分、大丈夫かな。うん」


 果たしてオイル臭さは抜けたのか、よくわからなかったけれど、しっかり体は洗ったから多分大丈夫なはず。
 うんと頷いて、シャワーを止める。
 ドアに掛けていたタオルを手に取って、体を拭き上げた。


「…あ」


 ゴシゴシと頭を拭いていると、タオルに僅かに付着した赤に思わず手が止まる。
 しまった、つい普通に拭いてしまっていた。


「出血、そんなにはないかな…」


 そっと額に触れて、掌に然程ついていない血にほっとする。
 シャワー室に付いてる鏡を覗けば、くっきりと綺麗に額に並ぶ、十字の聖痕が見えた。
 何度見ても、それは資料で見たノアの聖痕と同じだった。
 はっきりと十字架のような形を模しているそれは、どう足掻いたってただの傷跡だとは思えない。

 アレンと夜の書庫室で出会った後、日を改めて調べてみても、結局具体的な回避の方法は見つからなかった。
 このまま放置していたら、いつかノアになってしまうのか。そのタイムリミットさえも、わからないまま。
 答えを出したいのに何も出せないまま、私は前と変わらない日々を過ごしていた。

 仕事は、前より多めに詰めて過ごしている気がする。
 何もない時間を作ってしまうと、不安で色々と考え込んでしまいそうになるから。


「絆創膏、貼らなきゃ…」


 溜息混じりに、持ってきていたポーチに手を伸ばす。
 きちんと額は隠さないと、誰に見られるかわからない。

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