My important place【D.Gray-man】
第21章 地獄のティータイム
「じゃあ僕にも淹れて下さいますか? リナリー・リー」
「え? あっ、はい!」
「…リーバーさん、これって…」
「ああ…巻き毛が知ったら怒るだろうな…」
ですよね。
ペックさんに催促されて、慌ててコーヒーを淹れるリナリー。
の後ろ姿を、意味深にじろじろと品定めするように見るペックさん。
の更に二人の姿を後ろから見ながら、思わずリーバーさんにこそこそと声をかける。
やっぱり同じことを思っていたらしい。
まぁ、リナリー程の美少女なら納得もできる。
献身的な姿勢とその美貌も相俟って、一瞬でペックさんを魅了してしまったんだろうな。
…室長のリナリーを心配する気持ちも、わかるかも。
これじゃ常に傍で見ていたくもなる。
「趣味なら仕方ないかなぁ」
「ペック班長、リナリーを色目で見ない方がいいですよ」
「なんで? 恋人いるの?」
「兄がいます」
うん、何よりも怖いお兄さんがね。
「はい、どうぞ」
「いただきます」
そんなリーバーさんの忠告も虚しく、コーヒーの入ったマグカップを差し出すリナリーに、マグカップではなくリナリーの手を握るペックさん。
ああ、駄目だ。まるでリーバーさんの言葉の重さが届いていない。
確かに兄がいるって聞いただけじゃ、そう動じないかもしれないけれど…コムイ室長をリナリー関連で怒らせたら、凄く怖い。
リーバーさんの日頃の室長への怒りも可愛く見えるくらいに。
「だから兄がいるつってんのに…ッ」
「ま、まぁまぁリーバーさん」
肩を怒らせるリーバーさんを宥めていると、「あ。」とペックさんの口から不本意な母音が漏れた。
見れば、ぬっとリナリーとペックさんの間に突き出た他人の手が、リナリーの淹れたコーヒーマグを奪う。
かと思えば、ごくごくとあっという間に飲み干してしまった。
黒人肌の、眼鏡の白衣の男性。また知らない顔の人だ。
「ふむ。ご馳走様です」
「それ、僕のコーヒーなんだけど…」
「リーバーさん、あの人は…?」
「ああ。科学班第三班のマーク・バロウズ班長だ。中央庁から来た」
「成程」
あの人もペックさんと同じなんだ。
こそこそとリーバーさんに教えてもらいながら、納得して頷く。
いきなり増員したから、名前と顔を一致させるだけでも大変だ。