My important place【D.Gray-man】
第21章 地獄のティータイム
「あれ? 今日は教団内で仕事なのね、雪。お疲れ様」
リーバーさんに書類を手渡しながら、傍にいるリナリーに笑顔を向ける。
「リナリーもね。任務帰りなんでしょ? 疲れは? 大丈夫?」
「うん、比較的楽な任務だったから」
そう笑うリナリーの見た目には、どこにも外傷はない。
となると本当に楽な任務だったのかな。
だとしたらよかった。
「時間があるなら、雪もコーヒー飲んでいく?」
「じゃあ貰おうかな」
リナリーの淹れてくれるコーヒーは美味しいし、折角だし頂こうかな。
そう思って、頷いた時。
「おかしいんじゃないかな」
突如その場に、冷ややかな声が響いた。
思わずリナリーと、声の主に目を向ける。
「科学班班長がエクソシストに給仕させるなんて、おかしいでしょ」
腕組みをして立っていたのは、眼鏡をかけた白衣姿の男性だった。
よく知らない顔だなぁ…あ、確かこの人もフェイさんと同じで、新しく中央庁から来た増員組の人だったような…。
「イヤこれは、その…」
「僕、間違ってるかな?」
「…いいえ」
名前は確か…えーっと…そうだ、レゴリー・ペックさん。
この科学班で第二班の班長をしている人だ。
班長組の人なら最低限名前は頭に入れておこうと、引っ越時の書類には目を通しておいた。
フェイさんと同じ薄い色素の髪を、オールバックにしてなんだかお洒落なカチューシャみたいなもので止めている。
眼鏡の奥の瞳は、フェイさんとは別の意味で手厳しそうだ。
案の定、疲れた顔で対応するリーバーさんに、冷ややかに容赦なく突っ込む姿は、あまり印象良くは見えない。
リナリーが科学班で給仕をしているのは、もうずっと前からのこと。
それにリーバーさんが無理にやらせてる訳じゃない。
「こ、これは私の趣味でやってるんですっ」
「趣味?」
「はいっ」
慌ててリナリー自身がフォローを入れれば、冷ややかなペックさんの目は彼女に移り変わった。
というか趣味って。やっぱり良い子だなぁリナリー。
「ふぅーん」
そんなリナリーをじろじろと頭から爪先まで見るペックさんは…なんだろう。なんか、いやらしい目つきに見える。