My important place【D.Gray-man】
第21章 地獄のティータイム
「仕事から逃げ出すなど言語道断。時間を21分も無駄使いしてしまいました。早くお戻りを」
「えぇえ~。ちょっとリナリーに会い行っ」
「お・も・ど・り・を」
「………ハイ」
うわぁ…凄い。流石元中央庁の方。
醸し出す雰囲気というかオーラというか、言葉の端々までまるで一部の隙もない。
そしてどう聞いたってフェイさんが正論。
こればっかりは同情しても止める訳にはいかず。
「どんまい、です。室長」
「ぅぅ…リナリー…」
めそめそと泣きながらフェイさんに引き摺られていく室長を、見送ることしかできなかった。
ごめんなさい。
「あ、此処だ」
それから仕事に戻った私は、やがてすぐに科学班の研究室へと辿り着いた。
旧本部よりも広くなったこの研究室内も、他支部や中央庁からの増員で人が増えた。
一班しかなかった科学班も、今では複数班に分かれている程。
それぞれにリーダーである班長がいて、リーバーさんは第一班の班長を務めていた。
「すみません、失礼しま…あ。」
ぺこりと頭を下げながら研究室に踏み込んで、一人目立つ人物を見つけた。
白い白衣だらけの人達の中で、その人だけは真っ黒な団服を着ていたから。
エクソシストだけが着ることを許された、ローズクロスを掲げた真っ黒な服を。
「リーバー班長。コーヒーどうぞ」
「ああ、ありがとう。リナリー」
其処にいたのは、給仕セットを引いてコーヒーを淹れているリナリーだった。
さっき室長が長期の任務帰りって言ってたはずだけど。その後すぐに給仕しに来たのかな…任務で疲れているはずなのに、そんな雰囲気を全く見せない笑顔で周りにコーヒーを配っている。
なんて仕事熱心…じゃない、なんて良い子なんだろう。
「ん? 雪じゃないか。どうした、科学班に用事か?」
リナリーに貰ったコーヒーに口を付けながら、すぐにリーバーさんの目は私を捉えた。
研究室の人は皆白衣姿だから、そうじゃない人はきっと目立つんだろうな。
「はい。提出書類があって、リーバーさんのサインを頂きたいんです。今、大丈夫ですか?」
「ああ、見せてみろ」