My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「動きが可愛いなぁ」
子犬程の大きさの二フラーは、鼻先と手足以外は滑らかな毛で覆われている。
黒い毛並が多いが、真っ白なアルビノもいれば斑の入った個性的なものもいる。
ゲージに顔を近付けて雪が夢中になっていると、店主らしき男が其処へ近付いた。
「良かったら抱いてみませんか?」
「いいんですかっ?」
「ええ。二フラーは悪戯っ子が多いですが、人懐っこい子や大人しい子もいるんですよ。この子なんか、人に慣れているので噛み付きませんし」
店主がゲージから取り出した斑模様のニフラーが、雪へと促される。
恐る恐る猫を抱くように腕に収めれば、すんすんと小さな鼻先を雪に向けてニフラーは興味を示した。
「どうしよう。可愛い」
粒らな瞳が愛くるしい。
きょとりと見上げられて、雪の心は小さな生き物に奪われた。
「どうですか、一匹。体が小さいので場所を取りませんし、光り物を与えておけば大人しいですし」
「どうしようかなぁ…」
「いやいや飼うつもりねぇから。うちはペット禁止です」
「えぇー」
「んな顔で見てもダメ」
「こんなに可愛いのに? ほらっ」
「そんな迫ってもダだだ!」
「わっ」
抱いたニフラーをラビの顔へ寄せれば、つぶらな瞳がキランと光る。
途端に軽やかに跳んだニフラーの手が、ラビのピアスへと飛び付いた。
「なんさコイツ凶ぼ痛ェ!」
「ラビ!」
「すみません光り物に目がなくて…! ほら放せ!」
耳を引き千切られそうな痛みに悶えるラビに、どうにかニフラーを引き剥がそうとする店主。
すったもんだの奮闘の末、ようやく店主が与えたルビーにニフラーは夢中になった。
「た、助かった…結構力強いのな、そいつ…」
「大丈夫だよラビ。耳は付いてる」
「付いてなきゃ泣くさ…」
「すみませんね本当…個々によって光り物の好みもわかれるので、お兄さんのピアスが気に入ったんでしょう。どうぞ」
取り返したピアスを掌に、店主がラビへと差し出す。
それをラビが受け取ろうとすると、不意に何処からともなく小さな影が飛び出した。
「あ。」
「え?」
「はっ」
三人三様。
驚く雪達の目の前でピアスを掻っ攫った生き物が、軽やかに床に着地する。