• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第49章 つむぎ星に願いを



「ならついでに美味いもんでも食ってく? 其処らでランチでも」

「それより例の入口は? 此処ら辺なんでしょ?」

「…そーさね」


 それでも雪の中にはしっかり魔法界も目的に入っていたらしい。
 興味深く辺りを見渡す雪に、ラビは肩を竦めて頷いた。

 せめてランチくらいとも思うが、あまり好き勝手し過ぎると後が怖いのも承知している。
 ティエドールは雪の息抜きに大いに賛成してくれたが、ブックマンはあくまでもエクソシストと魔法使いの世界を均等に保つ為という意味で賛同してくれたのだ。
 コムイの許可を得て正式に外出できたのも、そのブックマンの一声が大きい。
 無闇に遊び過ぎると、勘の良い師に怒られてしまうだろう。


「何処にあるの? その"漏れ鍋"ってお店」


 キョロキョロと辺りを探す雪の目は、興味津々。
 その口から出てきたのは、前もってラビが伝えていた入口の名だった。
 正式には、魔法界へと繋がる入口となるパブの名だ。
 その為、看板でも探しているのだろう。
 しかし一向に見つからないパブに、ラビが先に一歩踏み出した。


「此処さ」

「え?」


 しかしその一歩は本当に一歩だけで終わった。
 ラビが足を止めたのは、本屋とレコード屋の間の柱。
 看板や扉など見当たらない、店と店の間の壁である。


「此処って…ただの壁だけど」

「まぁ見ててみ」


 そう言って辺りを確認したラビが、壁となっている柱を掌で軽く一度押す。
 するとカチリと微かな音がして、二度目に押すと既にそれは扉へと変わっていた。


「っ?」

「な?」


 僅かに開いた柱の扉を片手で固定したまま、先に入れと促すラビに、恐る恐る雪は中へと身を忍ばせた。
 入った先は、店の間に囲まれた細い通路などではなかった。
 広々としたパブの店内が見渡せ、外の建物と中の空間では面積がまるで違う。


「何これ…これも魔法なの…?」

「漏れ鍋自体、その存在を知らない者には認識できない魔法が掛けられてるんさ。雪も入るまで気付かなかったろ?」

「うん。魔法ってやっぱり凄いなぁ」

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp