My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
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煉瓦を敷き詰めた広い道。
真っ赤な二階建てのバスが通り過ぎる、通行量の多い道路。
青い晴天の先には、名物ともなる時計台のシルエット。
どれもこれも見慣れた風景に、慣れた足で進むブラウンの革靴。
その隣を、一回り小さなスニーカーが並んで歩く。
「で、この間の話の続きを教えてくれるさ?」
「この間?」
「此処に思い至った経緯」
「ああ、うん」
教団の団服姿ではなく、カジュアルなチェックシャツに黒のスキニーパンツ。
上にフード付きのデニムジャケットを羽織ったラビの顔には、いつもの眼帯はあるが見慣れたヘアバンドはない。
隻眼を向ける先には、並んで歩く雪の姿。
問われた雪は考える素振りも見せずに、ラビを見上げその"経緯"を語った。
「きっかけは、ティムキャンピーだったの」
此処にはいない金色ボディのゴーレムを思い出す。
最初のきっかけは、違和感程度の感覚だった。
「フレッドとジョージの魔法のお店までついて来ていたティムと、外部にいたくろすけの通信が繋がったんだよね」
「くろすけ?」
「ユウの通信ゴーレムの名前。なんとなく付けたら、あの子が気に入っちゃって。そう呼んでるの」
「へぇ〜。よくユウが許したな」
「許可と言うより、ほぼ放置みたいなものだよ」
「んで、その通信が繋がったことがなんなんさ?」
「うん、」
ゴーレム同士の通話可能範囲は一定距離まで、という限度がある。
そのため遠く離れた教団本部との通話は、ファインダーが持ち歩いている専用の通信機や、外部にある電話機などを使うのだ。
つまりティムキャンピーとくろすけが問題なく繋がれたということは、限度距離を越えていなかったということ。
結果を辿れば、あの時雪がいた魔法の店は神田達がいた場所からそう遠く離れていなかったことになる。
「児童書に載っていたホグワーツがある場所もイギリスだったし。もしかしたら現実にあるあの魔法のお店も、イギリス内だったんじゃないかなって」
「だとしても、なんでロンドンだって思ったんさ?」
「それはただの勘、かな。フレッドとジョージはリヴァプール出身じゃないって言ってたし、その児童書の情報諸々照らし合わせれば、一番可能性が高かったのがロンドンだっただけ」