My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「今まで一回も、有給使って遊んだことなんてなかったし。偶には羽伸ばせって、ファインダーの皆にも言われたんだ」
「……」
「遠足前の子供って、こんな気分なのかな?」
不謹慎かもしれないけれど、明日から自由に使っていい時間があると思うと、ほんの少しわくわくしてくる。
偽りない笑顔を向ければ、ラビは複雑な表情で押し黙った。
「…狡ィよなぁ…」
かと思えば、溜息混じりに項垂れる。
「何が狡いの」
「そういう顔とかああいう顔とか」
「どういう顔それ」
「意図的じゃないから尚更さ」
「だからどういう顔それ」
ぶつぶつと文句を言いながら、でもラビから伝わる空気は本気で咎めているようには思えない。
それよりも諦めに似た様子で、溜息混じりに私をまじまじと見てくる。
そんなに見られると余計に気になるんだけど…変な顔してたかな。
「わかったさ。どうにかしてみる」
「…え?」
その延長線上でぽろりと了承の言葉を耳にして、反応が遅れてしまった。
え、今、わかったって言った?
「ほ、本当にっ?」
「ただオレにもオレのやり方でいかせて貰うからな。雪だけの計画だと心配事もあるし。まずはジジイを説得させにゃ」
「うん。そうだよね、うん。そこはラビに任せるっ」
私より何倍も頭の良いラビだから、そっちの方が安心する。
こくこくとつい前のめりに何度も頷けば、ラビは更にむすりと…なんでそんな不満な顔するの。
「あー、もう。所詮最初からオレの負けってことかよ…」
「?」
「それ以上顔近付けんで」
背けられる顔に、押し返してくる手。
言われるがまま素直に身を退けば、ようやくラビは屈んでいた腰を上げた。