My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
驚きに満ちたラビの目が、私を凝視していた。
その視線から逃れるように、俯きがちに更に一歩下がる。
「だから最後に、せめて誰かに伝えておきたくて…でもユウとは、上手く話せていないから…ブックマンであるラビになら、伝えられると思った」
「ちょっと待てよ雪、何意味わかんねぇこと…そんなことしたら此処に帰って来れなくなるぞ」
「…わかってるよ、そんなこと…」
「わかってねぇさっ雪のことを信じたユウやコムイ達はどうなるんだよッそいつらを裏切るんさッ?」
「裏切るも何も、私は最初から部外者の目でしか見られてないよッ」
「っ」
ラビにつられて語尾が荒くなる。
ラビの言い分もわかる。
でもそればかり尊重していたら、私自身は?
私の"声"は、何処に届けたらいいの?
「この間みたいに、ただ力に振り回されるだけなんてもう嫌なの…私がどうにかしなきゃ。私の体の問題なの」
「だからって、なんでそんな危ない道なんか…」
「知らないから怖い」
「?」
「だから、知りたい。知らなきゃいけない。自分の体のこと。その為なら多少の危ない道だって選ぶ」
ぬるま湯に浸かっているような状態じゃ、何も進めないから。
「だから…私は教団に敵対して行く気はないことを、知っておいて欲しいの。ラビになら、それが頼めると思っ」
「馬鹿言うなさッ」
堪らず立ち上がったかと思えば、ラビの長い足があっという間に歩幅を縮めて目の前に迫った。
咄嗟に後退ろうとすれば腕を掴まれて、逃げ場を失う。
「下手すれば死ぬぞ!?」
「った…ッ」
両肩を強く掴まれて、そのまま本棚に押し付けられた。
書庫室だということも忘れて声を荒らげるラビの目は、本気だった。
「教団を甘く見るんじゃねぇさ。聖戦を百年以上続けてる戦闘集団だぞ…ッ雪一人の力でどう逃げ仰せるってんだッ」
「逃げるなんて言っ」
「言ってんのと同じさ。嫌だからな、オレは。幾ら都合の良い立場だからって、そこまで都合の良い役回りをする気はねぇからなッ」
ギリ、と肩を掴むラビの手に力が入る。
痛い程に、その思いと共に。