My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「誰がみすみす死にに行かせるような真似するかよッ雪が良くてもオレが納得いかねぇ!」
「…ラビ…」
捲し立ててはいるけど、そこには私に向けるラビの思いが見えて。
思わず胸が詰まった。
「それに向かう世界で答えが見つかるとも限らねぇだろッ魔法とイノセンスは別物さ。勿論ノアとも違う。下手したら利用されるだけかもしんねぇんだぞッ」
「利用って…そんなことないよ。フレッドとジョージは優しかった」
「そいつらは、だろ。他の奴らはわかんねぇさ。闇の魔法使いだっていんのに」
「闇の魔法使い?」
「違法な魔術や魔生物を扱う奴らのことさ。あの世界のルールなんてもんに基本従わねぇから、雪だって下手すれば餌食…に…」
「に?」
「……」
「何?」
最初の勢いは何処へやら。
捲し立てていた声を尻窄めて俯くラビに、先を催促すれば。
「…嵌めやがったな」
わなわなと肩を震わせて事の状況を悟って下さった。
うん、
「的確な魔法界の説明ありがとう、ブックマンJr.」
「嫌味かよッ」
親指をおっ立てて笑顔を向ければ、ようやくラビの顔とご対面できた。
あ、なんか泣きそうな顔してる。
流石頭の回転が早いだけある、嵌められたこともすぐ気付けたね。
「やっぱり知ってたんだね。魔法界のこと」
「…じゃあなんさ、今さっきオレに言ったことは全部嘘だったんさ?」
「まぁ」
「っんさそれ…!」
頷けば、途端に脱力したラビがその場に屈み込んで盛大な溜息をついた。
「吃驚させんなよ…マジ焦った…」
ぼそりと嘆く声は本当に焦っていたようで、少し罪悪感が湧く。
いくらラビの本音を知る為だとしても、少しやり過ぎたかな…。
「ごめんね。ラビの言う通り、私を信じてくれたユウやコムイ室長を裏切るようなこと、するつもりはないから」
「…オレは?」
「うん。ラビのことも。ブックマンでもエクソシストでもない、ラビ自身の傍が私には息がし易い場所だから」
「…ホントさ?」
「本当」
ちらりと上がる顔に、むすりと見てくる翠色の隻眼。
さっきまでの見透かすような瞳と同じとは思えない程、素直な感情がこもった瞳。
ラビのその眼は、私好きだな。