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My important place【D.Gray-man】

第49章 つむぎ星に願いを



 ラビの手元にライターを置けば、興味を示した目が観察を始める。
 その反応を見ながら、空っぽになったたい焼きの箱を紙袋に直す。


「ラビだって見たでしょ。フレッドとジョージの空飛ぶ箒。赤毛の双子の」

「あー…あれも科学班の作ったもんかと思ってさ。違ったんか」

「うん」


 ライターから一切目を離さず観察しているのに、空飛ぶ箒への反応は薄い。
 …やっぱりね。

 膝に両腕を立てて掌に顎を乗せたまま、予想通りの反応のラビを見て手札をまずは一枚。


「ラビ、本当は知ってたんでしょ」

「何を?」

「魔法界が実在すること」


 何気ない会話の中でその核心を突けば、ぴたりとライターを弄り回していたラビの手が止まった。

 魔法界のことは、教団ではコムイ室長だけが前々から知っていた。
 それ以外では私の知るところでは、リヴァプールの任務に同行した者しか知らされていない。はず。
 だから教団で空飛ぶ箒を使ったフレッドとジョージは、それはそれはもうマクゴナガルさんに怒られたんだけど。

 兎にも角にも、ラビも病室で鉢合わせした時は知らなかったはず。
 なのに空中に浮かぶ箒に対して、一切の関心を持っていなかった。
 元々好奇心の塊で、目敏い観察眼も持つラビにしては奇妙な話だ。

 つまり、


「ラビにしては反応が薄過ぎるから。前々から知ってたんじゃないかな、魔法界のこと」


 ブックマン一族であるラビなら、知っていても不思議じゃない。

 確信を込めて聞けば、ようやくライターを見ていたラビの隻眼がこちらを向いた。
 いつもは人懐っこい垂れ目が、感情を殺した色をしている。
 偶に見せるラビのその眼は、ブックマン時のものだとノアになってから知った。

 ほんの少し胸が騒ぐ。
 見透かされているような綺麗な翠色の眼は、やっぱりちょっと苦手だ。


「何言ってんさ、雪。夢の見過ぎだって。魔法なんて実在する訳ねぇだろ〜?」


 かと思えば、へらりといつもの砕けた笑顔で返された。
 それも想定していた反応だから、臆さず見返す。

 これからすることに、ラビの存在は必要不可欠。
 仲間になってもらわないと困るから。


「じゃああの箒はどう説明するの?」

「だから科学班の代物だろ? もしくは中央庁のもんとか」


 どうやらそれで押し切るつもりらしい。

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