My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「……」
「…雪?」
覗き込むラビの目に、慌てて沈みそうになる思考を切り替える。
「そうだと、いいけど」
「……さな」
笑顔で返せば、ラビは沈黙を作ったもののまたへらりと笑ってくれた。
…駄目だな…やっぱりこの息苦しい場所だと、悪い方向にしか考えられない。
「それでね、ラビ。お願いがあるんだけど」
「お。本題?」
このままユウの話をしていても埒が明かない。
今回の目的の為に持ってきていた物を、急いでポケットから取り出した。
「これ何か知ってる?」
「なんさそれ。何かの小道具?」
「見てて」
取り出したのは、アルバスさんに頂いたままにしていたライター。
一見してライターだってわからないくらい小洒落たデザインだから、ラビもわかっていないみたいだった。
だけどただのライターじゃないことは、私も身を持って確認してる。
説明は何も受けなかったけど、これはあの、有名な火消しライターだ。
私の知ってる児童文学の情報が確かなものなら、アルバスさん自身が作った世界に一つだけの貴重な魔法グッズ。
周りの光を取り込み、そして放出することができる。
ぱちりと親指で弾いて蓋を開く。
すると近くにあった書庫室の明かりが、吸い込まれるようにしてライターに取り込まれた。
そして蓋を閉めた後に、もう一度ぱちりと開く。
ひゅおりと生き物のようにライターから移動した光が、元の電灯の中に戻る。
「どう?」
一連の動作を実行して見せれば、ラビの隻眼が丸く瞬いた。
「なんさそれっ科学班の新作?」
「ううん。ハリー・ポッターって知らない? 児童文学の」
「それは知ってっけど…」
「そこに出てくる火消しライターっていう魔法グッズだよ」
「を、真似して科学班が作った物とか?」
「だから違うって。本当に魔法グッズなの」