My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「でもま、連れ添う中で一切波風立たない方が珍しいしな。特にあんなド短気ユウなら、今までよく保った方さ」
頑張った!と褒めてさえくれるラビはやっぱり、普段のお調子者で。
その中にラビの優しさが垣間見えて、ほんの少しだけ口元が綻ぶ。
「ユウの短気さは何も変わってないから、大丈夫だよ」
「それはだいじょぶって言わないさ…また理不尽な暴力でも受けたん?」
「そうじゃないけど…」
乱暴な行為と言えば、そう、だけど…。
なんとなくそわる気配を、首に当てた手で皮膚を擦りながら誤魔化す。
ユウに噛み付かれた跡は、結構しっかり付けられてしまったからまだ若干残ってる。
内出血の跡を隠す為に、ここ最近は襟首が広い服は着ていない。
「ユウの考えてることが、最近わからなくて、さ…」
「オレなんて常にだぜそれ。あいつの暴力の沸点がわかんねぇさ。あ、雪関連ならわかるけど」
「何それ」
いつものラビのペースに乗せられて、つい小さく笑ってしまう。
ようやくラビを真正面から見れば、視界に映り込む明るい赤毛。
太陽のようなフレッドとジョージの赤毛とはまた違う、元気をくれる色だ。
「ユウは感情表現が下手だから伝わり難いこと多いけど、よく見れば結構単純なことも多いさ。それに他人に関心は持たないけど、多分、一度持ったらしつこい奴なんじゃねぇかなって思う」
「そう?」
「そうそう。雪への態度見てたらそうだって」
「そうかなぁ…」
「ぜってーそう。欲しいもんが少ない奴程、一度できた欲は強かったりするからなー」
「そういうもの?」
「そういうもんだって」
まぁ…でも、確かに。
ユウとつき合ってから、意外に独占欲があることも知ったし…観察眼の高いラビが言うなら、当たってるところもあるんだろう。
「だからユウが雪に飽きたりすることは絶対ないから、そこんとこの心配は皆無さな」
へら、といつもの屈託ない笑顔で肯定してくれるラビに、嬉しくなる。
…嬉しくなる、はずなのに。
そこまで他人に向ける想いが強いユウなら、私の知らない誰かへの想いを持ち続けても、可笑しくはない。
そうも肯定されたようで、一瞬返事に詰まってしまった。