My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「ごめんね、吃驚したよね、あのおにーちゃん顔怖いから…!美形なんて滅べばいいのにねッ」
「オイ何ドサクサに紛れてディスってんだ犬っころ。犯すぞコラ」
「子供の前でそんなこと言わない!そしてそんな殺気出さない!益々怖がるでしょーがッ」
ぴきりと青筋を浮かべる神田から距離を取りながら、よしよしと抱き上げた男児の背を雪の手が優しく擦る。
「びぇえええ!」
それでも止まることのない泣き声は、一層大きくなるばかり。
「ああもう、どうしよう…っママすぐ戻ってくるからね…っだから泣かないで…っ」
おろおろと獣耳を伏せながら、困った顔で雪が子をあやす。
その様子に、青筋を消すと神田は深く溜息をついた。
「はぁ…おいガキ」
「あ!ユウ駄目だって…!」
本日二度目。
がしりと神田の手が、泣き喚く男児の頭を鷲掴む。
雪の静止も聞かずに、ずいっと顔を寄せると真正面から覗き込んだ。
「それくらいで泣くな、男だろうが」
ぴしゃりと強めに掛けられる声に、驚いたのか。
一瞬で止まる泣き声に、涙を称えた男児の目が神田を見て丸くなる。
「え…(泣き止んだ?)」
辺りを包む静寂。
唐突な現象に雪が驚いていると、しかし静寂は一瞬だけ。
「ふぇ…」
「あ」
再びうるうると男児の目に涙が浮かぶ。
「よ、よしよし。大丈夫、大丈夫。がうがうが守ってあげるから。怖くないよー」
「ぅう…っわんわん…っ」
「あ、そっちね…はいはい。わんわんですよー」
泣き声が大きなものへと変わる前に、ぎゅっと小さな体を抱き込み優しくあやす。
頬を摺り寄せ、体を揺らし、体温を分け合う。
半獣と化した雪の体温がぽかぽかと移り、ほっとしたのか。
泣き声はすんすんと小さなものに変わり、きゅっと幼い手は雪の服を縋るように掴んだ。