My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「アレン君も、ティモシーじゃないけど迷子にならないようにね?心配だわ…」
「じゃあリナリーも一緒に行きます?」
「えっ」
「リナリーが一緒にいてくれれば安心ですし。一緒にお菓子、貰いに行きましょうか」
「ぇ、ぁ…うんっ」
「…私の存在を忘れないようにして頂きたいのですが」
「あれ?リンクいたんだ」
「っウォーカー…」
「ま、まぁまぁ。リンク監査官も一緒に!楽しみましょっ」
「私は楽しむつもりは…っ待ちなさいウォーカー!リナリー・リー!」
「はいはい。行こうリナリー」
「ぅ、うん…」
「なんて言うか…色々春だねー」
「…さな」
「あれ。ラビもやっと認めるようになった?アレリナ春の現象」
笑顔でリナリーの手を引いていくアレンと、照れた様子でぎこちなく付いていくリナリー。
小言を言うリンクを付け足しても、そこで生まれ出ている空気はなんとなく甘い。
そんなアレン達の後ろ姿に頷けば、いつもはおばさん臭いと突っ込んでいたラビもまた雪同様頷いていた。
「悔しいけど、あんだけ空気に花咲かせられたらな。あっちにも良い例がいるし」
「わ、私も行っていいのかしら…」
「大丈夫さ、ミランダ。心配なら私が傍についていよう」
「マリさん…ありがとうっ」
溜息混じりにあっち、と顎で促すラビの視線の先には、ミランダを優しくエスコートするマリの姿。
「本当、あちこち春だねー」
「…雪もな」
「え?なんか言った?」
「うんにゃ、なんも。オレも折角だから参加してくるさ。チャオジー、行こうぜ」
「あ、はいっス!」
「んじゃ、あの仏頂面の吸血鬼頼んださ。逃げ出さないよう見張ってろよ」
くり抜き南瓜のバケツを抱えて背中を向けるラビに、ああと雪は後方を振り返った。
最後尾をついて歩いていた彼は、逃げ出してはいないものの街の入口である此処から一歩も動きそうにもない。
引き摺ってでもこのお祭りの中に連れ出すことこそ、自分の役目だ。
よし、と頷いて一歩踏み出す。