My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「何?ラビ」
振り返れば、南瓜の顔をしているのに不満が有り有りと顔で伝わってくるラビが立っていた。
脇には大きな南瓜のくり抜きバケツを抱えている。
そこに貰ったお菓子を入れていく算段だ。
「何?じゃねぇさ。雑談してる間に道逸れてんだけど。外の門はあっち。先頭歩くならちゃんと歩けって」
ずいっと向かう道とは逆方向を指差すラビの言うことは尤もだった。
このまま進めば、どんどん外へと続く道とは離れていく。
ハロウィン参加の為に、街に繰り出そうと提案したのは雪だ。
その本人が道を間違えていては元も子もない。
しかし当の本人は驚く様子もなく、ああと頷いてみせた。
「それなら大丈夫、道は合ってるよ。もう着くから」
「何言ってんさ?街に行くんじゃなかったのかよ」
「だってまだ肝心の主役を連れて来てないでしょ」
「主役ですか?」
「それは私達エクソシストだと言ってなかったであるか?」
雪の不可解な言葉に、アレンやクロウリーの目も向く。
注目を浴びながら、もこもこ毛皮のブーツを履いた雪の足が、とある扉の前でピタリと止まった。
「うん、主役はエクソシストだよ。でも一人だけね」
「私達ではなかったのであるかっ?」
「クロウリー達もそうだけど…とびっきりの主役は、一人だけ」
「…その人物が此処にいるのか?」
盲目の目では人物を捉えることはできない。
しかしマリの聴覚を持ってすれば、此処が何処かなのかくらいはわかる。
驚くクロウリーの隣で、ヘッドフォンに片手を当てながらじっと目の前を見つめるマリ。
「此処って…」
「医務室、よね?」
不思議そうに首を傾げるのは、リナリーとミランダだけではない。
全員が疑問を抱く中、先頭で振り返った雪は皆を見渡し、にこりと笑った。