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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



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(…あの格好と顔は反則だ)



まだ少し火照った顔を片手でパタパタと扇ぎつつ、雪は吐息をついた。
ちらりと盗み見る、後方を歩く神田の姿。
渋々とついてくる顔に笑顔など浮かんではいないが、単なる仮装と言うには立派過ぎる出で立ちは充分に目を惹く。

別段、神田の顔が好みな訳ではない。
神田の今の姿が好みだった訳でもない。
それでも目を奪われるくらいに雪に衝撃を与えたのは、相手が彼だったからだろう。



(まさかユウのこと、格好良いなんて褒める日がくるなんて…)



美形に興味はない。
整った容姿は目の保養になるし憧れもあるが、昔から何かと神田の暴挙を受けてきた雪。
故に美形であれば何をしても許されるなど、言語道断。
気付けば苦手意識を持つようになっていた。
それは明らかに神田が原因なのだろうが、そこを覆されたのもまた彼の存在。



「…はぁ」



堪らず、憂いを帯びたような吐息を一つ。



「なーに?意味深な溜息なんかついちゃって」

「っ何が?」

「こっちが聞いてるのよ。神田に見惚れて、私に気付かなかった?」

「! 別にそんなこと…ッ」

「ふふ、はいはい」



雪の視界へ、唐突に顔を覗かせたのはリナリー。
リボンで飾った短めのツインテールを揺らし笑う様は、ハリー・ポッターのコスプレに勝る愛らしさだ。



「神田くんって吸血鬼になってたのね、雪ちゃん。あの服装、最初はアレンくんみたいだと思ったけど、クロウリーさんの方が似てるわ」

「確かに…そう言われれば、そうね」

「ああ、うん。だから最初は全然気付かなくて。ユウもコムイ室長のクッキー食べたこと、言わないから」



会話に混じってきたミランダに苦笑しつつ、雪は素直に頷いてみせた。
神田は自分から吸血鬼のことを話しはしないだろう。
ミランダの予想は、見事に当たっていた。

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