My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「まぁ神田くん素敵ね!その正装、アレンくんみたいだわっ」
「…あ"?」
「ひッ」
「落ち着け神田。ミランダは褒めただけだから」
「そうよ。折角映える顔してるんだから。そんなガン飛ばしてたら勿体無いわよ?」
ミランダの褒め言葉にギロリといつもの威圧ある表情を見せつつも、長年の仲間と幼馴染であるマリとリナリーに言われれば、強くは逆らえないのか。
二人に庇い盾されるミランダから視線を逸らし、渋々と神田は口を噤んだ。
「ほら神田先輩、言った通りっス!皆褒めてくれるって」
「んな言葉、俺は求めてない」
にこにこと笑顔を絶やさないチャオジーに素っ気なく返しながら、そっぽを向いた神田の目がそれを捉えた。
少し遠目からこちらを見てくる、雪の姿。
まじまじと見てくる彼女の顔には、チャオジーのような笑顔は浮かんでいない。
ただひたすらにまじまじと、目を丸くしてこちらを見ていた。
神田と目が合う。
「………」
しかしやはりそこに感情の起伏は見えない。
ただひたすらに、目を真ん丸にしているだけ。
褒められたいなどとは思っていないが、そうも穴が開く程に見られれば気になる訳で。
「何阿呆面かましてんだ」
「………」
「オイ無視すんな」
雪へと足を向けても、彼女を目の前にしても。
一向に真ん丸な目は変わりはしなかった。
ミランダやリナリーのような笑顔は浮かんでいない。
ぽかんとした、正に間抜け面。
「雪」
いい加減現実に戻って来いと言いたくなる衝動を抑え、溜息一つ。
しかし神田の口から名を紡がれると、ぴくりと雪の獣耳が微かに揺れた。
「ぁ……うん、」
それから、ぱっと下がる視線。
やっと反応を示したかと思えば、そんな素っ気ない返事一つ。
もじもじと両手を胸の前で握り合わせて、背中の大きな尾がそわそわと揺れる。
一体どんな感情なのか。
ぎこちない雪の反応に、流石の神田も内心首を傾げた。