My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「(にしても…)また首輪か…」
何故こうも、首を拘束する物に縁があるのか。
渋々と首輪を受け入れつつも肩を落としながら、雪は小さな溜息をついた。
こんな拘束をさせられるくらいなら、ミランダやリナリーのような格好がよかった。
そう今更後悔しても、後の祭り。
「神田先輩、大丈夫ですって!似合ってるっス!」
最後まで皆を待たせていた彼の身支度が、終わってしまったからだ。
にこやかなチャオジーに半ば引き摺られるようにして、重い足取りで更衣室から出てくる。
そんな神田に目を向けた雪は、目を丸くした。
予想はしていた。
吸血鬼とあらば、大方クロウリーのような格好をするのだろうと。
世間一般的にも有名な怪奇人は、イメージも既に定着している。
雪の予想通り。
其処には足首までの長く真っ黒なマントを羽織った出で立ちの神田がいた。
マントの内側には、深いネイビーカラーの洒落たオーナメント柄。
そこに合わせているのか、白いメンズブラウスの上にもネイビーカラーのベスト。
よくよく見れば、ボタンやチャームにもオーナメント柄が彫られている。
手袋やパンツは黒一色。
マントで体を隠してしまえば、闇に同化してしまいそうだ。
しかし漆黒の瞳の中で僅かに揺らめく"それ"と、サイドに流した髪を緩めに結んでいる髪紐だけが、鮮やかな深紅色を放っていた。
「やーっぱり!似合ってるじゃなーい!」
「うへぁ…似合い過ぎて逆に怖ぇーさ…出来過ぎだろ」
「神田は普段あんな格好しませんからね。見慣れないから気持ち悪いです」
「ウォーカー…前後の言葉の意味が噛み合っていません」
両手を合わせて、きゅるん!と頬染め歓喜するジェリー。
眩しいものを見るかのように、眉を寄せつつ目を細めるラビ。
うえ、と顔を顰めて呟くアレン。
を、静かに嗜めるリンク。
皆が一様に反応を示す中、雪だけは目を真ん丸にしたまま固まっていた。